2022年6月17日(金)に開催されたオンラインイベント〈2022年前半を味わい尽くそう! Webデザイントレンド半期決算〉に参加しました。(※視聴しただけです)
2時間を超えるイベントでその全てを伝えることはできませんが、特に印象に残った部分を自分なりの感想を含めて振り返ります。
- 当日の出演者
- ・カンソクインダストリーズ 原 一浩さん
- ・株式会社LegalForce 矢野 りんさん
- ・フォルトゥナ 坂本 邦夫さん
2022年前半の海外デザイン編
高度なグリッドデザイン
ファーストビューのロゴに始まり、ヘッダー、コンテンツ、フッターの各部において緻密に計算されたグリッドレイアウトが美しく、その中で意図的にずらした要素が気持ちいい。
トップだけでなく、下層ページも美しいです。
長円窓
正円でなく、小判のような長円窓が流行っていることを知りませんでした。
サイト全体において、長円窓や、それを半分に切ったような窓形のトリミングが繰り返し使われています。
安定感のある正円とは異なる表現で、印象に残ります。
トレンドのブラッシュアップ
カッチリしたグリッドデザインに、背景マーキーが各所に効いていて、コンテンツの邪魔をしない程度のアニメーションが気持ち良い。
日本の上場企業編
スタートアップテイスト
数年前から増えてきた、アイソメトリック図を使ったイメージは現在も活躍中。
こういうアイソメを使ったファーストビュー = スタートアップと親和性が高い。
個人的にはスタートアップ企業の案件を受注した記憶はないですが、特徴のあるテイスト故に、それを好むクライアントさんもいらっしゃいます。
その為、この辺の領域の引き出しは持っていて損は無いと思います。
ブランド力アップ
リニューアル以前は、ファーストビューでおすすめ製品をスライドで紹介しつつ、各製品カテゴリへの遷移を促す一般的な構成でしたが、2022年のリニューアルでは、ビジュアルを排しロゴとコピーのみでブランドイメージを強く訴求する形へと大胆に刷新されました。
これまでのTWINBIRDに持っていたイメージは、失礼ながら安価でそれなりに使えそうなモノづくりをする企業というような印象でしたが、新たなWebサイトではブランドの歴史やこだわり、デザイン性の高さを感じ「TWINBIRD」良いかも!と思いました。
特に「ブランド」というコンテンツは素敵なので是非見て欲しいです。
リニューアル以前のデザイン
動画で情緒を伝える
イメージムービーをファーストビューに使用するという手法は2022年も依然として人気が高い。
これまでは、どちらかと言えば動画をとにかく使いたいと言うような要望から始まり、成果物のクオリティも様々で、場合によっては動画じゃなくともスライドでも表現出来るのでは?という様なものもありました。しかし、2022年はよりストーリー性のある動画が増加した印象で、これから先は動画クリエイターの需要がもっともっと増えていくんだろうと思います。
注目の傾向
買えるコーポレートサイト
新しい4°Cのサイトは、コーポレートドメインから直ぐに商品を購入できる設計。
これまでのコーポレートから、各ブランドサイトへ遷移した後にECサイトで購入という煩わしいフローが当たり前と思っていただけで、確かにこの方法もあったのかと考えさせられました。
その分、サーバーの負荷が大きいのか読み込みに結構な時間がかかります。
ローテートトランジション
新しい富士紡ホールディングスのサイトは、リンクの各所にマウスオーバーで時計回りに弧を描くアニメーションが採用されています。
ちょっとしたアニメーションだけど、気持ちのいい動きに何回もマウスを持っていきそうになる。
日本の自治体編
ターゲット別ナビゲーション
これまでの自治体サイトでよく見た構成といえば、メインメニューに「暮らし」「子育て」「観光・イベント」「健康・医療」といった項目を全てのユーザーに対して表示するパターンが多かったと思います。
2022年にリニューアルされた桑名市のサイトでは、「一般」「子育て世帯」「高齢者世帯」「事業者」というユーザーの属性によって、生活便利サービスのメニューの並びが変更される仕様となっています。
この仕様は、今後ほかの自治体サイトでも増えていくのではないかと想像します。
まとめ
今回は、先週開催されたCSS NiteのWebデザイントレンド半期決算について振り返りました。
これ以外にも、自治体サイトにおける「ふるさと納税の扱われ方」が昨年と比べ変わっていることから、時代の流れを考察する話があったり、バウハウスが現代のWebデザインにもたらした影響など盛り沢山な内容でした。
Webサイトは、今の姿を見るだけでは見えてこない部分もあります。リニューアル以前とその後を比較することで、時代の傾向を感じることや、その企業の姿勢や方向性の変化を自分なりに考えたりする事の重要性を改めて知ることができました。