OWIEです。インターネットが一般化され、随分とネット文化のスピードが早くなったと感じています。
僕は「西鉄バスジャック事件」を切っ掛けに2ちゃんねるを知って、そこからインターネットの世界へと傾倒していったわけですが(今では信じられませんが、当時はインターネットをやっているだけで変質者扱いされることもありました)、ネット文化のムーブメントも今と比較しても小さなもので、現在のように「おや、隣で何かやっているようだぞ、なんだろう?」というような茫洋な世界ではなかったように思います(ある一定の世代以降は大体ハマっていた「おもしろflash」などが好例です)。
というわけで今回は「隣で何かをやってる系面白いムーブ」である「クリエイター向け投げ銭システム」をほんの少しだけ紹介したいと思います。
bandcampの投げ銭システム
僕が投げ銭システムを初めて知ったのは海外の音楽配信サービス「bandcamp」だったと記憶しています。ニコニコ動画などで初音ミクなどのボーカロイドを始めオリジナル楽曲を気軽に発表できるようになった昨今ですが、こちらはアマチュアが自作の曲を売ったり、ファンや好事家が買ったりするのが主な目的のサービスです。
発信者の中には「別に売るほどでもないけど、曲は聴いてほしい」という層がある一定数存在し、ユーザーの中にも「いい曲だ!惚れた!無料だと!?バカをいえ、金を払わせさせろ!」という層が存在します(国内外問わずオタク気質の人に多い傾向です)。
そこで投げ銭システムの登場というわけです。
APOLLOのBOOST↑システム
同人音楽作品をインターネットを介して頒布する即売会イベント『APOLLO』。
2014年から開催され、着々と知名度と開催規模を広げているオンライン同人音楽イベントのパイオニアです。ピクシブ株式会社の店子サービス「BOOTH」を利用してアマチュアが制作した楽曲をダウンロード販売したり通販が行えるイベントなんですが、定価以上の価格で購入することができるBOOST↑システムが搭載されています。これも「惚れた!アルバムが500円だと?バカを言え、もっと金を払わせさせろ!」というムーブの一つですね。
参考:APOLLO
YouTube Liveのスーパーチャットシステム
リアルタイム配信が当たり前の時代になって随分経ちますが、youtube liveにも投げ銭システムであるスーパーチャットというサービスが存在します。お金を入れると自分の投稿コメントが強調され、配信者にアピールしやすいということもあり、人気配信者ともなると爆レス(※出演者がファンの声援に大きく反応を返すこと)欲しさにジャンジャカお金を振り込む層が少なくありません。
ちなみに2017年の終わりに爆発的にブームになったヴァーチャル・ユーチューバー(vtuber)。ご存知でしょうか。LIVE2Dなどのフェイスリグや3Dモデルを使用したオタク向け仮想ユーチューバーですが、パイオニア的存在であるキズナアイが日本政府観光局の対米訪日促進キャンペーンに参加するなど、その動きが注目され、2018年5月現在かなりホットなネット文化とも言えます(参考)。
昨日、そのvtuberのあるいち人気グループがスーパーチャットを解禁し、鬼のようにお金が振り込まれているのを目にして「こ、こわい!」という素直な感想を抱いてしまいました。
ちなみに僕は「鳩羽つぐ」さんのファンです。アート的なアプローチが楽しい子なので、サブカル好きな人には向いているかもしれません。
まとめ
クリエイター向け投げ銭システム、いかがでしたでしょうか。
中には「こんな方法でお金を稼ぐなんて!」という印象を抱かれる方も居られると思いますが、犯罪を犯して耳目を集め、PV数で広告費を稼ぐサービス(コンビニの陳列物に悪さをするのを配信、漫画を無料で配信するナントカ村など)に比べwin-winな健全なシステムですし、これから時代、個人の才能を生かしたマネタイズの一つして普通のサービスになっていくのだろうなぁと考えています。
bilibili動画
ちなみに電子マネー化を邁進している中国では「打賞」と呼ばれ、中国版Twitter「微博」やニコニコ動画にインスパイアされ、昨日NASDAQにも上場を果たしたbilibili動画などではもはや定番となっているサービスだそうです。
なお先日、継続的に支援が出来るパトロンシステムであるpixiv FANBOXというサービスがリニューアルされ、時代が遂にパトロネージュまで遡りました!こちらも面白い試みを行っていますので、一度ご覧になってみるのも面白いかもしれませんね。また腕に覚えあり!な方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
ではまた。
参考:pixivFANBOX